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E11  「マッチング」による問題作成

~ 英文は食材、出題形式は調理法 ~

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問題作成のとき、ときどき試すのが次の方法です。

ここでも、料理の例えになりますが、

良い素材を、手早く、確かな調理法で料理することが大切です。

(これが、なかなか難しいことですが ・・・)

 

まず、日頃から、問題の指示文(過去に自分が作った問題文や、

センター試験をはじめ大学入試や予備校の模試にあった問題文など)を

テキストファイルでストック(保存)しておきます。

 

問題作成(調理)の要点は、

英文の内容(食材)を生かす出題形式(調理法)を考え、

問題の指示文集から最適なモノを選ぶことです。

 

例えば、論説文で、段落内部や段落どうしの論理展開を問いたくなるような英文ならば、

ストックしている次のような指示文を選びます。

 

例1)

段落<A><B><C>は順番を入れかえてある。正しい順番に並べたものを次から選びなさい。

Paragraph <A>, <B> and <C> are shown above in random order. 

Choose the best order which makes the passage logical.

1. A-B-C   2. A-C-B   3. B-A-C   4. B-C-A   5. C-A-B   6. C-B-A

 

例2)

各英文を正しい順番に並べかえたとき、次の問いに答えなさい。

なお、後にくる英文がない(英文が最後になる)場合は [0] と答えなさい。

Arrange the following sentences in the appropriate order,

paying attention to the context and the key words.

note: When you can not find the number in the parenthesis, put a cross (0) in it.

Q1.  英文<1>の後にくる英文の<番号>         (      ) comes after <1>.

Q2.  英文<2>の後にくる英文の<番号>         (      ) comes after <2>.

Q3.  英文<3>の後にくる英文の<番号>         (      ) comes after <3>.

Q4.  英文<4>の後にくる英文の<番号>         (      ) comes after <4>.

 

ちなみに、問題の指示文集をテキストファイルで保存しているため、

コピー&ペーストで活用することで、

入力時間を省略し、入力ミスも未然に防ぐことができます。

 

また、英文を見て、なかなか問題が思いつかないとき、

英文と問題の指示文集とに、交互に眺めつづけていると、

出題形式が ヒラメ くことも多くあります。

 

この文章の最後も、料理の例えで恐縮ですが、

ショートカットキーを駆使した迅速な入力は、

さしづめ「包丁さばき」といったところでしょうか。

 

 

E12  “I’d like to be a good example for my students as one of English learners.”

~ 「英語教育=英語学習」 ~

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「英語学習者の一人として、生徒たちの良き模範となる」。

これは、英語教師としての私の目標の一つです。

 

「名刺の上では、私は会社の社長です。頭の中では、ゲーム開発者です。

心の中では、ゲーマーです」と言ったのは、

2002年に42歳の若さで山内溥氏の後を継ぎ任天堂の社長になった岩田聡氏でした。

若いときから「腕利きのプログラマー」だった岩田氏が、

社長になってからアメリカで開かれたゲーム開発者向けの会議で自らをこう評したそうです。

 

私は、名刺の上では英語教師。頭の中では英語教授法の開発者(?)。

そして、心の中では「英語学習者」として、コミュニケーションをとる喜びや

英語のスキルアップに伴う苦労と達成感を忘れていないか自問します。

 

東進ハイスクールの安河内哲也先生は、

英語の学習環境の改善に伴い、運用能力がますます高くなる生徒に対して、

英語教師はゴルフのレッスンプロのような存在になるとお話されていました。

私は、それと同時に、英語教師はプレイングマネージャーでもあるべきだと考えます。

 

NHKの語学番組でもお馴染みの松本茂先生は、

本当に英語を使いたい人は、英語教師にはならないで、

他の職業に就くのではないか、という主旨のお話をなさっていました。

私は英語教師です。教えることに軸足を置きながら、

「教えるために、自らも学ぶ」 という姿勢を大切にして、

身をもって生徒たちの模範の一人となり、

英語学習の魅力・苦労・醍醐味を伝えることができたら思っています。

 

はたして、DSやWiiのような、エポックメイキングな

ヒット商品ならぬヒット教授法(授業案)を出せるでしょうか!

 

 

E13  「歴史小説」ならぬ「授業小説」は可能か?

~ 授業者の息づかいも伝える英語教授法の物語 ~

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司馬遼太郎さんのファンです。

さまざまな作品を読んできました。

いずれも史実に忠実でありながら、抑制を利かせながらも、

想像力を最大限に働かせて、登場人物たちの息づかいまで感じさせてくれます。

そしてまた、彼らの熱く、そして、切実な思いも伝えてくれます。

 

英語教授法を扱った名著はたくさんありますが、

教室のなかの授業者の息づかいや、

心や頭のなかの微妙な動きも描写された小説は過去にあったでしょうか?

もし、そのような本が出版されたならば、

より感情にうったえ、皮膚感覚で共感できるために、

さらに効果的に教授法の活用を促すことができるのではないでしょうか。

 

そこで、超短編を書いてみました。 (いずれも未完成で申し訳ありません)

 

<短編 1>

”Critical 5 Minutes”

にこやかな表情を浮かべながら、教師Wは机間巡視をしながら心のなかでは焦っていた。

授業の残り時間は、わずか5分となっていた。

このタイミングの机間巡視は英語の指導ではなく指名計画のためで、

ほどほどに正解を書いている生徒をさがして、

授業の最後にクラス全体に発表させ、

若干であるが重要ポイントとなる間違った箇所を W が手際よく訂正して

終業のチャイムを迎えたかった。

優秀な生徒Aの答えは、いつものように完璧であるためNG!

ふだんから、そこそこ出来る生徒のリストを頭に思い浮かべながら、

その一方で、ほどよく間違えをしている生徒がいないなら、

自分が望む誤答を自作しようかとも頭によぎった。

ちょうどその時、・・・・・・・

 

<短編 2>『指導力 × 胆力』

授業開始とともにプロジェクターの不具合が判明!

いつもは、情報機器のトラブルに備えて代案を考えているのに、

その日にかぎって何も用意していなかった。

画像をふんだんに見せて、それらを英文で説明する予定だったが、

急遽、その逆に、教科書の本文をVisualizeするアクティビティーに切り替えた。

どのような映像を頭に思い浮かべたかをQuestion をつくって尋ねあって、

あわせて、Follow-up Questions も訊くように促すこととした。

最初は、生徒たちのSpeaking 力を心配したが、

「英借文(章)」の力を試す機会と思いなおした。

この時間も、英語教師として、指導力、そして、胆力が試されることになった。

教科書の最初の英文は、・・・・・・

 

 

E14  電子辞書は進化して「英語学習トレーニングマシーン」になる!

~ 英語教員のわがままな要望 ~

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スマートフォン全盛のなか、

電子辞書には「英語学習トレーニングマシーン」として、

その機能を拡充していってほしいというのが、私のわがままです。

スマホのアプリを個々にダウンロードするのではなく、

システマティックにトレーニングできて、

なおかつ辞書機能も充実している電子辞書の登場を待ち望みます。

※ 下記の機能で、すでに、もしくは、この文章を書いたのちに実現したものがありましたら何卒ご容赦ください。

 

― スキル別機能一覧 ―

 

<Reading> -------------------------------------------------------------

(1)  WPMを測る

「スタート」ボタンを押して、画面に現れる英文を読んでいきます。

読み終わった時点で「終了」ボタンを押します。

その後に、今読んだ英文の内容を問う簡単な問題に応えて、

正答率も加味したWPMが自動的に算出される機能。

計算式は次の通りです。

                                                          60                        the number of the correct answers

WPM  =  the number of the words × ――――――――――  × ―――――――――――――――――

                                                              reading time (sec.)                the number of questions

 

(2)  フレーズリーディングを練習する

 決して視線が、右から左に戻らない(英文を読み返さないように)、

ある程度の分量のフレーズごとに、画面が切り替わっていく機能。

 訳し下しながら、しっかり理解できているかどうかは、

フレーズリーディングの最後に簡単な問題(例.True or False Questions、やCloze Test)が表示される機能付き。

 

(3)  文脈から、単語の意味を推測or段落整序を練習する

 コンテクストから英文中の難解な単語の意味を推測します。

また、東大をはじめ入試問題に散見されるように、長文中で段落の順番を文脈から推測する練習ができる機能付き。

 

(4)  スキャナー機能

主に教科書の英文をスキャンします。常日頃から英文に触れて、繰り返し読み返せる環境をつくります。

モニター画面の大きさに限りがあるため、画面を拡大/元に戻すためのピンチアウト/インの機能も加えます。

 

(5)  Visualizeする練習

英文を見て、数秒後に、英文をイラスト(画像・動画)にしたものが画面に表示される機能。

たとえば、時制(過去形・現在完了形・完了形の受動態、など)も、それなりにイメージした画像で視覚化ができれば、

英文の内容を瞬時に把握する良い訓練になると考えます。

 

<Listening> -------------------------------------------------------------

(6)  ディクテーションに取り組む

教科書の音声をダウンロード(コピー)・再生できる機能があるとしたら、

いつでもディクテーションできる環境が生まれます。

また、教科書の英文を頻繁にリスニングすることを促すため、たとえば、

教科書の出版社とタイアップして、

教科書本文の音声がダウンロードできる特典つきの電子辞書が

販売されることも理想的です。

 

(7)  「10秒巻き戻す」機能

ディクテーションをするとき、音声変化の著しい箇所などを、繰り返し聴きなおしやすくするための機能。

 

(8)  音声変化(リエゾン・脱落など)を繰り返し耳慣らしできる機能

以下に音声変化した英語の音声をカタカナで表記してみます。

(例) 

ヤン   young

ベス・フレン   best friend

キャッ・チャ   catch up

ルッ・グッ   look good

パー・タイ   part-time

ファイノー[ファイヌー]   final

メントー    mental

レラ    letter

バルル   battle

カルル   cattle

バレリ   battery

ライラウェイ   right away

カッリラウ   cut it out

イナネッ   Internet

イナヴュー    interview

サンウィッチ   sandwich

ミシュー   miss you

アイル・ヘルピュ   I'll help you

ワッチャー・ネイ?   What's your name?

アジューノウ   as you know

ブリンミ   bring me

ギミ   give me

レッティム   let him

フォーラ・ロンタイ   for a long time

ゲッラウロ・ヒー   Get out of here

ギミ・アブレク   Give me a break

ワッツァッ?   What's up?

※ 野口悠紀雄先生『「超」英語法』講談社より

 

(9)  Visualizeする練習

上記5のReadingのVisualizeを、Listeningで行うもの。

英文を聴いて、数秒後に、英文をイラスト(画像・動画)にしたものが画面に表示される機能。

たとえば、時制(過去形・現在完了形・完了形の受動態、など)も、それなりにイメージした画像で視覚化がされたならば、

英文の内容を瞬時に把握する良い訓練になると考えます。

 

<Writing> -------------------------------------------------------------

(10)  「暗唱・暗写」用英文集

「英借文(章)」で使えそうな「暗唱・暗写」用英文が表示され、Cloze Testなどで英文を覚えたかどうかを確認できるようになっている機能。

 

<Speaking> -------------------------------------------------------------

(11)  録音機能

たとえば、授業中に生徒の発音をチェックする時間がない場合、

生徒たちが個々に音読を録音して電子辞書ごと提出します。(採点して翌日に返却)

ベストのレコーディングを提出しようとして、何度も録音することで、結果として多くの音読を促すことになることも期待されます。

できれば、音声認識機能が付いて、発音を得点化できると興味を引くと考えます。

※スマートフォンは片時も手放そうとしないため、

また、個人情報が満載のため、

電子辞書ならば一晩くらいは大丈夫だと考えて・・・。

 

<Vocabulary>

(12)  通信機能

定期テストや小テストの範囲になっている新出単熟語を、

収録している辞書からグループ化したデータを、

友人とシェアできる機能。

たとえば、試験範囲の単語を、友人とシェアしたり、出題しあうときに使用。

 

(13)  Scrabble(スクラブル)のようなゲーム

ずばり、Vocabulary Buildingのためのゲームです。

 

(14)  自動(強制)「ジャンプ」機能

あらかじめ設定をONにしておくと、

たとえば、英和辞典である英単語を調べたあと、次に別の単語を検索しようとしても、

いったんは必ず、今調べたばかりの英単語の英英辞典の該当箇所が表示される機能。

 

(15)  自動(強制)「ヒストリー」・「履歴」表示機能

あらかじめ設定をONにしておくと、

電源をOFFにするとき、そのときまでに調べた単語の一覧が、必ず一定の時間、表示される機能。

表示されている間に、上下のスクロールボタンを押すと、「ヒストリー」や「履歴」の表示は継続するようにします。

 

(16)  フラッシュカードにできる

定期テストや小テストの範囲になっている新出単熟語を、

収録している辞書からグループ化したデータを、フラッシュカードにできる機能。

定義が1~3種類くらいに限定できる機能付き。

 

 

E15  実用新案を取得しました

~ 「音読練習用・穴埋め問題対策用学習下敷き」 ~

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勤務校が知的財産教育を始め、自らも何かしらの形で知的財産権に関連する体験をしたいと考え、

実用新案を出願し取得した学習用具です。

書類不備のため、一度は特許庁より司法書士の方へ相談するように勧められましたが、

もともと知的財産の経験を積むことも目的の一つとしていましたので、

最後まで、自ら一人で事務処理を行いました。

※ 詳細は、右(下)のPDFファイルのアイコンをクリックしてください

 

 

 

 

 

 

 

2-11-15

英語教育 = 英語学習

■ No. 11 -  No. 15 ■

授業で使うアクティビティー、テスト作成の裏技、
英語学習者の一人として励行していること、英語教育観、等々、
これまでに考案・実践・考察してきたものを、随時、掲載しています。

 

※ まだまだ作成の途上ですが、お読みいただければ幸いです。

※ スマートフォンまたはiPad では、PDFファイルやイラストはページ下方に表示されるかもしれません。

  何卒、ご了承ください。

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