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H1   「知識と経験があればいい」というものではない! 

~ 粘れ! 若者! ~

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 数十年前は半導体の営業をしていました。

そして、その後、教員生活を送っています。

つまり、長年に渡って蓄積した知識と経験があるわけです。(笑)

 一方、高校生・中学生の皆さんは、

まだまだ知識と経験が不足しているのかもしれません。

 しかし、知識や経験は「あればいい」というものではありません。

 今日は、ある意味で「若者の特権」の話です。

 

 知識や経験は「あればいい」というものではないというのは、

それらが、私たちのチャレンジする気持ちを邪魔することがあるからです。

次は、将棋の羽生善治さんのお話の要旨です。

 

 年齢を重ねて経験を積むと、対局の途中で何百手先の展開も予想できるため、

自分が劣勢のときは、そのまま指していても負けてしまうことが分かってしまうことがある。そして、そうなるともう、精神的に粘れなくなる。

 それに対して年齢が若いうちは、たとえ負けている展開であっても、

自分では、それに気づかないため、粘っているという自覚もないままに一生懸命、一手、一手を指していくことになる。

そうこうしているうちに、相手がミスをすることあるし、また、自分が思わぬ妙手・好手を打つこともある。そして、形勢が逆転する。

 

 あれこれと先回りして考えて行動力が鈍ることは、若い皆さんには相応しくないことです。

先々のことを、いたずらに考えず、目の前のことに、ひた向きに挑戦し続ける姿勢を心がければ状況は、きっと変わります。チャレンジ!

 

 

H2   テスト返却のときに伝えること 

~ 山の頂(いただき)が高いのは、その裾野が広いから ~

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受験科目に特化すること、また、得意科目を伸ばすことも大切ですが、

5教科すべてに興味をもって、バランスよく結果を出せることも大事なことです。

山の頂が高くあるためには、広い裾野が必要です。

同様に、幅広い教養があればこそ、専門分野を極めることができるのではないでしょうか。

 

 

H3   「成功の方程式」は存在するのか? 

~ とりあえず3つ、ご紹介 ~

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人生は、なかなか儘(まま)ならないものです。思うように、事が運ばない日常で、数学ではありませんが、成功の方程式のようなものはないだろうかと思ったことはありませんか? もし心あたりがあるならば、次のワードを調べて、自分の過去の経験と照らし合わせてみてください。ずばり「成功の方程式」とは言えませんが、日頃の生活を整理して考えてみる小さなヒントになるかもしれません。

 

①: ハインリッヒの法則

②: パレートの法則

③: ジェボンズのパラドックス

 

 

H4   “LIFE!”と言えば・・・  

~ 人は、なぜ学ぶのか? ~

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“LIFE!”というタイトルのNHKが制作する秀逸なコント番組がありますが、あらためて、その言葉の意味を考えてみると、日頃の授業のヒントが隠されているような気がします。

lifeの意味の一つは「生活」です。日頃の学びは、私たちの日常生活に役立つ、実用的なものであることが大切です。しかし、学校という場所は、これだけ教えればいいのでしょうか。大学教育においても、教養主義と実用主義がせめぎ合うような時代ですが、中等教育においても、いや、多感で感受性の強い中等教育であるからこそ、lifeの他の意味である「人生」・「命」が授業においても語られなくてはならないと考えます。

「生活」だけを語るのでは不十分、「人生」・「命」を語ってこそ本物ではないでしょうか。

国会でも取り上げられたNHKの番組“LIFE!”を観ながら、自戒も込めて、つらつら考えました。ちなみに、番組のサブタイトルは、「人生に捧げるコント」。

 

 

H5   「何やる?」

~ 錦織圭選手、強さの源泉

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テニスの錦織圭選手の小学校時代のコーチは、練習を始める前に「何やる?」と常に錦織少年に訊いた

そうです。コーチは、まず、テニスが「面白い」と思わせることを大切にして、そこから徐々に必要

な練習内容に近づけるようにしたとのことでした。

この言葉が示唆に富むのは、面白いと思わせるだけでなく、能動的にさせるという効果があるこ

とではないでしょうか。いくら有効な練習メニューであっても、気持ちが受け身であっては十分に

身に付きません。例えて言うならば、栄養価が高い食事でも、嫌々食べているようでは、なかなか身

にならないのと同じです。

能動的であれば、楽しく、そして身にも付きます。

スポーツだけでなく、勉強や仕事も同様です。押し付けられるのではなく、

主体的に仕事に取り組める立場にいられるようにするために、

今、私たちは勉強しているのかもしれません。

 

 

H6   2013年、参院選を前に

18歳選挙権年齢の議論に関連して

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7月21日(2013年)に迫った参議院選挙の争点のうち、

「憲法改正」と「原発再稼働」の是非について関心があります。

私が思うに、この2つの共通点は、共に制度的な問だけではなく、

それを運用する人間に焦点があたっているというところです。

たとえ、システムやルールが如何に優れていようとも、

生身の人間が、その使い道を誤る危険性を可能な限り考慮する必要があります。

「憲法改正」の議論では、憲法が、そもそも権力者による権力濫用を阻止するもの、

言いかえれば、権力者を縛るものであると、ときに定義されるなか、

どの程度きびしく、政治(家)に制約を加えるかを、

長い時間を見越した上で判断する必要があります。

それは、どれほど権力者を信頼できるのか次第とも言えます。

同様に、「原発再稼働」の問題においても、

いかに技術的な安全策や組織的な安全対策が施されていようとも、

結局は、それを使いこなす人間の能力と倫理感に対する信頼が

厳しく問われていると考えます。

もちろん、このような議論になりますと、権力者といっても、また、原発の管理者といっても、

一人の個人がすべてを一手に引き受けるものではなく、多くの人々によって組織的に運営されているため、

やはり、権力濫用の抑止力や原発事故回避のシステムが十分に機能しているという反論があるかもしれません。

しかし、例えば、福島第一原発の吉田昌郎元所長が個人的な判断で行った原子炉を冷やすための海水注入継続が、

原発事故の被害拡大を大きく軽減したように、個人の資質と胆力が、

その人の所属する組織が発揮する力を大きく左右するケースも多々あります。

そして、その逆に、個人の間違った思考と努力が、集団の決断・結論となって、

組織的に大きな人災を招くのも、また真理だと考えます。

そもそも、個人の能力不足を、すぐに組織でカバーしようとする姿勢は、

ときとして、安易な対応であるという印象を受けます。

サッカー日本女子代表監督、佐々木則夫氏の言葉に、

「個人の力不足を組織で補うと、個人もチームも力が頭打ちになる」というものがあります。

今、あらためて考えたいことは、憲法改正でも原発再稼働の議論でも、

私たちの社会が、鍛錬された能力と倫理観をもった、

一定数以上の個人の集まる組織を持っているかということです。

今回の選挙は、それを確認する選挙、言いかえれば、

国政を預かる政治家や原発関係者への信任投票だと考えます。

そして、未来の有権者となるばかりでなく被選挙権をもつことになる皆さん(生徒たち)には、

力強く、しなやかな組織をつくっていくためにも、

「個」として力量を高めることも強く意識してもらいたいと希望しています。

私自身も、日々の教育活動がその一助になるために研鑽を積んでいきます。

 

 

 

H7   お金に関して強いメンタルを持っていますか?

「ブレない」生き方をするために

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行動経済学とは、誤解を恐れずに簡潔に説明するならば、経済学と心理学の要素を併せもった学問分野

だと言えるでしょうか。

その行動経済学の実験の一つに、宝くじを題材にしたものがあるようです。

 

<実験 1>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

友人にもらった宝くじが当選して、2万円をもらえることになったが、賞金を引き換えるとき、係の

人に賞金の計算が間違っていたので、次のうちどちらかの方法を選んでほしいと言われた。

(1)   コインを投げて表が出れば、そのまま2万円もらえるが、裏が出れば2万円を返却する。

(2)   コインを投げないで1万円を返却して、1万円だけ受け取る。

実験の結果は、最初に2万円を手にしたため、

お金が減ることを嫌って(1) のコイントスを選択する人が相対的に多い。

 

<実験 2>―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

宝くじに当選した友人が、自分は運がよかったから、次のどちらかのプレゼントをあげると言ってきた。

(1)  1万円のプレゼント。

(2)  コイントスをして、表が出れば2万円、裏が出ればプレゼントは何もなし。

実験の結果、(1) の1万円を確実にもらう方を選ぶ人が相対的に多い。

 

以上の結果をみると、同じ1万円という金額でも、<実験1> と <実験2> では、その重みが異なっているようです。

しかし、ここで重要なのは、元々、お金は0 (ゼロ) 円であったのを忘れてはいけないということでしょうか。

そう考えれば、<実験1> のケースでも、(2) の選択肢(コインを投げないで1万円を返却して、1万円だけ受け取る)を迷わず選べると思います。

「ブレない」は、少し以前に流行った言葉ですが、「ブレない」生活を送るためにも、

元々いた立場や状態に立ち返るべきです。

突き詰めて考えるならば、私たちはこの世に裸ひとつで生まれてきたわけですから。

 

 

 

H8   表現する喜び

音楽部のコンサートの後で

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コンサートの余韻が残るなか、今の高揚した気分は、

「表現する喜び」を強く感じているためでしょうか。

誰しも表現したいという欲求を持っていると思います。

それは、音楽やダンスかもしれませんし、勉強やスポーツかもしれません。

自分の表現したい気持ちを大切にすることは重要です。

ただし、周囲の誰しもが同じ思いを持っていることも忘れてはいけません。

たとえば、クラスメートも、部活動の仲間も、家族も、何かを表現したいという気持ちを持っていると思います。

家族、たとえば、親と言えども、当然のことながら、誰しも最初から父親・母親だったわけではありません。

「よい父親・母親であること」を表現したいと思っているかもしれませんし、

別の何かを表現したいと思っているかもしれません。

自分の何かを表現したい思いを大切に。

そして、周囲の人たちの表現したい気持ちもサポートしてください。

 

 

H9   「スポーツの力」!

スポーツ大会の開会式のスピーチ

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もし、ボーリングで得点をつけなかったら?

私たちは、ボーリングを楽しめるでしょうか?

もちろん、ただピンを倒すことだけでもおもしろいかもしれませんが、

その楽しさは半減するのではないかと思います。

スポーツ大会は、単にレクリエーションだと言うかもしれません。

しかし、得点にも、勝敗にもこだわってみてください。そうしてこそ、楽しさも喜びも倍増するというものです。

手を抜かず、自分の出せるベストのプレーで、

教室のなかとは違った様々な表情を見せてください。

 

ところで昔は、学校だけでなく、

企業・会社によっても、社員とその家族が参加する運動会がありました。

徐々に、会社の運動会は廃れたわけですが、

それが、最近、JTB が運動会をサポートする企業・会社向けの専門部署をつくるなど、

運動会が復活する兆しが出てきているようです。

 

運動会に参加した社員の人のコメントには、たとえば、

「最初はエーッ、と思ったけれど、いざやっていみるとムキになって走ったり、跳んだりした」。

「円陣を組むなんて、日常生活では出来ない体験!」等々、肯定的に再評価する声が多くありました。

 

紅白歌合戦で「歌の力」という言葉がコンセプトになったことがありました。

同様に、スポーツにも「スポーツの力」があります。

運動部に入っている人も、スポーツ観戦を楽しんでいる人も、そしてそのどちらでもない人も、

スポーツの力、それは、気分を快活にして、ときには気持ちを和ませ、そして、

人と人との心を通わせる力、

そのスポーツの力が最大限に引き出される一日になることを期待しています。

それでは、スポーツ大会を開催します。一同、拍手!

 

 

H10 「3倍」の技術力

~ バブル経済が崩壊したときこそ! 少子化がいっそう進んでいるときこそ! ~

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 「3分の1の価格競争で戦うか、3倍困難な技術で戦うか」。これは、ある中小企業の社長さんが、バブル崩壊後の心境を語った言葉です。

今年は、進路選択の山場となります。将来、受け身ではなく、能動的に自分の未来を切り拓く何かを培い始める1年間であってほしいと強く願います。自分の時間を高くもない値段で切り売りするのか、それとも、もてる能力を周囲から請われながら発揮するのか。

 本校においても、3分の1の価格競争に巻き込まれることなく、3倍の技術力で勝負することで、生徒たち、そして、保護者の皆さんのご期待に応えられるよう、日々、努めてまいります。

この続きは、下記のブログにも掲載しています。ご覧いただければ幸いです。

http://ameblo.jp/evening-walker/themeentrylist-10036386364.html

 

 

ホームルームの話材

No. 1 - No. 10

 

朝から力を入れて取り組んできました。

 

※ まだまだ作成の途上ですが、お読みいただければ幸いです。

※ スマートフォンまたはipad では、PDFファイルやイラストはページ下方に表示されるかもしれません。 何卒ご了承ください。

3-1-10

 

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